目的

機構長から

データから宝石を掘り出す

村山 斉

村山斉: 数物連携宇宙研究機構長村山斉: 数物連携宇宙研究機構長

IPMUニュースの今号ではWMAPチームから二人を取り上げています。前号でご紹介したジョージ・スムートのCOBE衛星実験の成功をふまえて、WMAPは歴史を変えたと言っても良いでしょう。NASAが上げた人工衛星のWMAPが出した2003年の結果は宇宙論の新時代を拓きました。今宇宙が137億歳であること、平らであること、そして物質の8割以上が原子ではなく未知の物質であることは、WMAPが私たちに教えてくれました。この快挙はビッグ・バンの残り火である宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)を調べることによるものでした。CMBは宇宙がまだ38万歳のときに放たれ、その後宇宙をずっと旅し、やっと今私たちにたどり着きました。それでCMBは宇宙の情報を沢山背負っているのです。

寄付のお願い

未来への支援

数物連携宇宙研究機構(IPMU)は、宇宙への根源的な疑問に答えるために設立された国際的研究機関です。

宇 宙は何で出来ているのでしょうか?宇宙はどのように始まり、どんな運命を迎えるのでしょうか?宇宙を支配する法則は何なのでしょうか?そして、私たちはな ぜこの宇宙に存在するのでしょうか?このような疑問は人類共通の疑問です。だからこそIPMUでは国際的、学際的な研究機関を目指しているのです。

こ の疑問に答えるためには世界水準の研究機関である必要があり、IPMUは研究者の半分以上がすでに海外からの優秀な研究者で構成されています。政府からの 寛大な支援のもと、ほとんどゼロからのスタートだったにもかかわらず、今は約80名の研究者を抱えており、世界水準の研究機関へと日々成長しています。多 く斬新な論文が海外からの優れた研究者との共同研究によって生まれました。

しかしながら、これまで国際的に見て非常に安定的と考えられて きた日本政府からの補助金も昨今の政治情勢や景気の影響に強く左右される状況下にあります。研究の要となる人材獲得競争が世界的にも激しさを増す中、世界 に伍して魅力的な研究機関として存続するためにも、安定的かつ柔軟に活用出来る財源の確保がどうしても必要なのです。

WPI Program

世界トップレベル研究拠点プログラム(WPIプログラム)は、文部科学省(MEXT)によって2007年度に設立されました。

このプログラムは、世界最高峰の研究者を中心に据えた世界レベルの研究センターを作るための重点的支援をおこないます。高い研究水準と卓越した研究環境を提供することによって、世界中から研究者を引きつける"世界に見える"拠点となることが期待されます。