2016年12月16日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
2017年1月22日、東京大学伊藤謝恩ホールにおいて第2回目となる東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と東京工業大学地球生命研究所(ELSI)との合同一般講演会「起源への問い」を開催いたします。
宇宙・地球・生命..その起こりはどのようなものだったのでしょう。私たちは歴史のなかで、たえずこの問いに向き合ってきました。
本講演会では宇宙・地球・生命の起源について、今どこまで解き明かされているかその最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、起源を問うとはどういうことなのかという根源的な話題について、サイエンティストと哲学者が対話します。
概要
日 時: | 2017年1月22日(日)13:00~16:30(開場12:30) |
会 場: | 東京大学 伊藤謝恩ホール 東京都文京区本郷7-3-1 東京メトロ東大前駅(南北線) 徒歩15分, 根津駅(千代田線) 徒歩15分, 本郷三丁目駅(東京メトロ丸ノ内線/都営地下鉄大江戸線) 徒歩10分 |
主 催: | 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構・東京工業大学地球生命研究所 |
対 象: | 高校生以上 ※障害等のため、設備、情報保障等の配慮が必要な場合は、申込時に自由記入欄にてお知らせください。 |
参加費: | 無料 |
定 員: | 400名
応募多数の場合は抽選となります。
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申 込: | |
通 知: |
決定の通知は1月10日にご連絡いたします。 |
問合せ: |
04-7136-5981 / Email: koukai-kouza_at_ipmu.jp(Kavli IPMU広報) |
プログラム
13:00-13:40
講演1:
物理学からみた宇宙の起源
講師:大栗 博司 (Kavli IPMU 主任研究員/カリフォルニア工科大学教授)
専門:素粒子理論
宇宙に始まりがあったとする考え方は古代からありましたが、これを科学的な方法で検証することができるようになったのは過去1世紀のことです。宇宙物理学の観測技術が発達したことで、この20年の間に初期宇宙についての理解は飛躍的に進歩しました。本講演では、宇宙に始まりがあったとする科学的な証拠を概観し、最新の観測と理論の伝える宇宙開闢の姿を解説します。
13:45~14:25
講演2:
現在から過去を知る − 45億年の時間旅行−
講師:廣瀬 敬 (東京工業大学 地球生命研究所長)
専門:高圧地球科学
プレートテクトニクス理論は、地球科学でおそらく初めての予言性を持った理論です。これは、長期間プレートが同じ方向に同じ速度で動いているという観測に基づくものです。逆に過去を推測することも可能です。例えば現在、大西洋は年間数センチずつ左右に拡大しています。そこで、時計の針を2億年分逆に回すと大西洋がなくなり、南北アメリカ大陸とヨーロッパ・アメリカ大陸がぴったりとくっついて超大陸パンゲアが出現するというわけです。ただし、この方法で遡れる時間は限られていて、地球が出来た45億年前のことを知ることは不可能です。一方、地球内部に観察される異状な構造の中には、地球の中心に金属のコアが集積した時や、地球を覆っていたマグマの海が冷えて固まっていったプロセスでできたものと考えられるものがあります。これらを手掛かりに地球の成り立ちを紐解くことができるのです。当日は、こうした地球の起源を探る研究を中心にお話します。
14:45~15:25
講演3:
古代ギリシア哲学から問う起源(アルケー)
講師:納富 信留 (東京大学 大学院人文社会系研究科教授)
専門:古代ギリシア哲学、西洋古典学
西洋の自然科学と哲学は紀元前六世紀にギリシアで生まれたとされています。そこで万物の「起源(アルケー)」が問われ、私たちの住む「宇宙(コスモス)」の成立を歴史的・原理的に探求する営みが始まりました。本講演ではその哲学探求を紹介しながら、起源から考える思考がどのような意味を持ち、現代の私たちの生き方や世界の見方にどのような可能性を示すのかを議論していきます。科学を超えてその基礎を求める「形而上学」について、「ある、ない」「なる(生成変化)」「一、多」「時間、永遠」「知る」「美」といった問題から考えます。そこから現代科学への新しい視野が拓けてくるのではないかと期待しています。
15:30~16:00
鼎談:
起源を問うとはどういうことか
16:00~16:30
講師を囲んでティータイム
Kavli IPMU ×(かける)コレクション とは
基礎科学/純粋科学に分類されるKavli IPMUの研究者と他分野の専門家との交流を試みるシリーズです。これまでのイベントはこちら。